Plusone No.623
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働き方改革関連法の順次施行に加えコロナ禍も相まって、労働環境は大きく変化しました。また、民法改正に伴い賃金債権の時効(遡って賃金未払いを請求できる期間)も延長され、未払い残業代請求事案は今後増加することが予想され、労務管理を徹底することが事業主に求められます。筆者が考える、今後増加するであろう労働問題の傾向は、未払い残業代請求事案に加え、「ハラスメント」と「メンタルヘルス」ではないかと考えます(スライド1)これらの労働問題に対し、これから事     (業主がどのような対応をとることが求められるのか、法令が求める事項と具体的な対策を、実務事例を含めて6回シリーズでご紹介します。ぜひご活用いただければと思います。 「就業規則を整備すれば、会社を守ることができる」といったフレーズが巷に溢れていますが、実際にはどうでしょうか? 就業規則に対し普段から意識している方は少なく、労働問題が生じたときに「就業規則にはどう書いてあったかな?」と、問題が生じたときに見直す程度のものであるように思われますが、そのような認識で会社を守ることができるのか………私はできないと考えます。平成から令和になり労働者の“働く”ことに対する意識が変化する一方、労働に関する法令の改正で事業主に求められる内容は複雑化、煩雑化しており、企業運営も厳しくなっているように感じます。時代に合わせて法律や会社のルールが変わるのは当然ですので、それに応じた対応を確実に実行しなければ、到底会社を守ることはできないと思います。就業規則の根拠規定は、労働基準法(以下、「労基法」とします)第89条で「常労働契約と就業規則特定社会保険労務士)今後増加するであろう問題点就業規則は会社を守れるか就業規則とは文◎ 江口俊彦□ 請求額が単純計算で2.5倍 (当面1.5倍)になります令和4年4月1日)から義務化□ ルールの明確化を行うことで、運用実績を問われることになる?の申請件数増加□ 労働者の健康管理をどのように行うべきか・・・スライド 1労働問題の傾向と予測未払い残業代を払え!!20    未払い残業代の請求事案問題1□ 民法改正に伴い、賃金債権の時効が2年から5年(当面3年)に延長    ハラスメント対策の義務化問題2□ 令和2年6月1日(中小企業:     メンタルヘルスへの対応問題3□ メンタル疾患に対する傷病手当金業務支援会社の守り方❶Vol.

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