相続税の納税猶予について徹底解説

2020年01月20日


相続税を納めることになった場合、納税には一定の猶予があります。
相続が発生した時に相続税の納税猶予はもちろん、適用できる特例や要件などを知っていると損をすることが減ってきます。

本記事では、主に農地を相続した場合における納税猶予について詳しくご紹介していきます。


目次
1.農地の相続税の納税猶予には特例がある
2.納税猶予の特例が適用となる農地と要件とは
3.特例を適用するために必要なものは?
4.納税猶予の期限
5.おわりに

相続税の納税猶予について徹底解説



1.農地の相続税の納税猶予には特例がある

農地を相続や遺贈により取得した場合、土地が広大すぎるため相続税などにおいて多額の税を納めなければなりません。
このような相続税の負担を軽減するために“農地の贈与を受けた場合における贈与税の納税猶予の特例”という制度が設けられています。

市街化区域内の生産緑地、もしくは市街化調整区域内の農地となっている土地を贈与によって受け取った場合、納税のための猶予期間を設けられています。
特例の名称としては“猶予”と称されていますが、将来的に相続が発生する場合、実質的には相続税そのものを免除する内容となっています。
農地を贈与によって引き継いだ相続納税対象者は、この特例を活用することをおすすめします。



2.納税猶予の特例が適用となる農地と要件とは

特例が適用となるには一定の条件があります。


贈与者側の条件

1.農地を贈与する日まで3年間継続して、該当の土地で農業を行っていた
2.相続時精算課税制度を利用して贈与した土地ではないこと
3.特例の対象となる年に、他の農地を贈与していないこと
4.これ以前に納税猶予特例の適用を受けた贈与を行っていないこと


受贈者側の条件

1.贈与者が死亡した場合の推定相続人であること
2.その贈与の日まで引き続き3年以上農業に従事していたこと
3.その贈与後、速やかにその農地等によって農業経営を行うと認められること


なお、農業を継続しない場合や、何らかの事情で法定相続人ではなくなった場合は、特例の適用を取り消されてしまいますので注意しましょう。



3.特例を適用するために必要なものは?

贈与税の納税猶予についての特例を適用するには、申請の際に指定の書類を提出する必要があります。


必要書類

1.贈与税の納税猶予に関する適格者証明

2.特例適用農地の明細書
これらは、農業委員会に申請することで手に入れることが可能です。

3.納税猶予の特例適用の農地の該当証明書
こちらは、最寄りの市役所に申請することで手に入れることが可能です。

4.担保提供書

5.土地の登記事項証明書(及び固定資産税評価証明書)

6.抵当権設定登記申請書

7.印鑑証明書

8.納税猶予税額を計算した書類

9.贈与についての証明書

10.市区による土地証明書(対象の農地が三大都市圏の特定市区内である場合)


特例を適用するには担保の提供が条件となるため、4.から7.の書類も併せて用意しておきましょう。
また、これらの書類以外にも、後述する『特例適用後3年毎に特例継続の意思を表示した書類』を提出する必要があります。


1.納税猶予の継続届出書

2.農業を継続していることを証明する証明書(農業委員会から取得することが可能です)

3.特例農地等の経営などに関連する明細書


これらの届出を行わなかった場合、猶予されていた分の贈与税などを全て納めることになりますので、忘れずに提出しましょう。



4.納税猶予の期限

農地にかかる贈与税の納税猶予期限は、贈与された農地がどのような種類かで変化します。


1.市街化区域内の生産緑地及び三大都市圏内の特定市の田園住宅地域並びに市街化区域外
→贈与者(又は受贈者)が亡くなるまでとなります。

2.市街化区域内の三大都市圏内の特定市以外及び地方圏
→“申告期限後20年が経過”するか、“贈与者(又は受贈者)が亡くなるまで”からの早い方が適用されます。
なお、贈与者が亡くなった場合は猶予税額が免除されます。

3.上述2つの農地を所有している場合
贈与者(相続人)が亡くなるまでとなります。



5.おわりに

相続や贈与によって広大な土地を譲り受けた場合、負担する相続税・贈与税額は非常に大きくなります。
この重すぎる税負担に対して、猶予期間を設けて軽減を図ったものが“農地等納税猶予税額”です。
特定の条件を満たせば、将来的に発生するであろう相続による相続税負担を免除することができます。

ただし、農地等納税猶予税額の特例を適用するには、譲り受けた土地を農地として利用し続けることが必須です。
生涯農業に携わる意志がある場合には、納税猶予が認められたりするなど有用な特例となります。

一方で、農業を一生引き継ぐ意思がないにも関わらず特例を適用していた場合は、本来相続によって負担すべきだった相続税及び利子税も併せて、全て納める必要が出てきます。
財産相続した時に、被相続人から農地だけでなく農業事体を引き継ぐ意志があるならば、積極的に活用していきましょう。


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