いよいよ始まる軽減税率! 請求書等の書き方が変わる!? ~今後の記載方法をシンプル解説~

2019年07月19日

令和元年10月1日、いよいよ消費税率の引き上げ(8%→10%)と軽減税率制度が導入されます。本コラムでも何回か消費税について解説してきました。
今回は、『いよいよ始まる軽減税率! 請求書等の書き方が変わる!?』の題名の通り、この秋から変わる請求書等の記載事項について概要を解説したいと思います。



(1)なぜ書き方が変わるのか

軽減税率の開始に伴い、適格請求書等保存方式、いわゆる日本版インボイス制度が導入されます。この経緯は売り手が買い手に対して正確な適用税率や消費税額等を伝えることが必要になったからです。
この適格請求書とは、売り手が買い手に対して正確な適用税率や消費税額等を伝える手段と考えられています。(詳しくはコラムバックナンバー『インボイス方式と免税事業者の危機』〈上記リンク先:https://www.tigrenet.ne.jp/column/?id=1550734100-508100〉をご覧ください。)

この変更について、「令和元年10月1日からいきなりインボイス制度を導入します。」と言われたらどうでしょうか? 現場は相当混乱することが予想されます。

国もそれだとあまりに企業の事務負担が大きいと考えて、令和元年10月1日から令和5年9月30日までの間は肩慣らし期間として、現行の請求書に必要な記載事項に、少し記載事項をプラスすることで対応できる区分記載請求書等を認めています。
ただし、この慣らし期間は5年間です。令和5年10月1日からは適格請求書等(日本版インボイス)に完全に移行する必要があります。

それでは具体的に、請求書の方式ごとに何を記載しないといけないのか見ていきましょう。



(2)現在でも請求書に記載が必要なもの

普段何気なく作成している請求書ですが、実は消費税の計算にあたって記載が必要なものが消費税法で定められているのをご存じでしょうか?
知っておられる方も知らなかった方も、現行の請求書等保存方式に記載が必要な事項を確認しましょう。

● 書類の作成者の氏名又は名称
● 取引の年月日
● 取引内容
● 取引金額
● 書類の交付を受ける者の氏名又は名称

以上の5点が原則として記載が必要な事項です。どうでしょうか? いま作成している請求書にすべて記載ができているでしょうか?
すべて記載できていなければ、すぐ対応することをお勧めします。



(3)「区分記載請求書等保存方式」の記載事項

上記(2)で現行の請求書に記載が必要な事項の確認を行いました。次に令和元年10月1日から(慣らし期間として)導入される「区分記載請求書等保存方式」の記載事項を確認していきましょう。

区分記載請求書等保存方式では、(2)の記載事項に加えて『軽減税率対象品目である旨』、『税率区分ごとの合計請求金額』の2つの記載が必要です。整理すると次の通りです。

● 書類の作成者の氏名又は名称
● 取引の年月日
● 取引内容+軽減税率対象品目である旨
● 取引金額+税率区分ごとの合計請求金額
● 書類の交付を受ける者の氏名又は名称

以上の点が必要な事項です。
軽減税率対象品目である旨の記載は、「※マーク」を使ったりすることが可能で、明確に8%・10%を区分できれば良いのです。絶対これでないといけないということはありませんので安心してください。



(4)「適格請求書等保存方式(日本版インボイス)」の記載事項

最後に「適格請求書等保存方式」の記載事項の確認を行います。適格請求書等保存方式は、令和5年10月1日から導入されますので、直前になって焦ることのないように概要だけでもいいので内容を押さえておきましょう。

適格請求書等保存方式では、(2)の現行の記載事項から(3)の区分請求書等保存方式で加えられた記載事項にさらに加えて、『税率区分ごとの消費税額等及び適用税率』、『登録番号』の2つの記載が必要です。整理すると次の通りです。

● 書類の作成者の氏名又は名称
● 取引の年月日
● 取引内容+軽減税率対象品目である旨
● 取引金額+税率区分ごとの合計請求金額+税率区分ごとの消費税額等及び適用税率
● 書類の交付を受ける者の氏名又は名称
● 登録番号

以上の点が必要な事項です。

いよいよ始まる軽減税率! 請求書等の書き方が変わる!? ~今後の記載方法をシンプル解説~

まとめ
請求書等の記載事項について、現行制度と区分記載請求書等保存方式と適格請求書等保存方式の記載事項の確認をしてきました。繰り返しますが、令和元年10月1日から取引を税率ごとに区分することが必要になり、請求書等の記載の方法も変わります

レジの購入やシステムの導入など検討している方は、変更前の9月30日までにレジの購入やシステムの導入をすれば、費用の3/4を補助してくれる制度もあります。

直前になって慌てることのないように、計画性をもって準備をすすめましょう。

(税理士法人ティグレパートナーズ 税理士 髙井俊明)

関連するティグレのサービス:記帳と申告・税務相談