不動産の名義変更にはご注意を

2017年06月27日

毎年、確定申告が終わるとほっと一安心という納税者の方も多いと思います。しかし、その後、納税者のもとに、税務署からいわゆる「お尋ね」の文書(以下、「お尋ね」)が届き、どうしたらいいのかと、ご相談受けることがあります。

この「お尋ね」とは、税務申告の必要がありそうな納税者に対して税務署が送付する文書です。例えば、自宅を売却した場合、通常登記を行いますが、その情報は法務局より税務署へ送られます。この情報から、税務署は「売却して所得を得たのではないか」という申告の要否を、「お尋ね」により確認するのです。ただ、「お尋ね」が送付されたといって必ず申告義務があるとは限りませんので、専門家にすぐに相談し対処していただきたいと思います。

さて、この「お尋ね」の1つに、「贈与税の申告についてのお尋ね」というものがあり、毎年相談を受けます。この相談内容は主に、贈与による不動産の名義変更を行っているケースです。そのほとんどは親族間での名義変更ですが、原則、贈与税の対象になります。「贈与」とは、民法で定められており、端的には、「当事者双方のタダであげる、もらうという契約」をいいます。この「タダで」ということに納税者の方々は安心してしまうようで、お金が動いていない、更に親族間での取引であるため、税金の心配は無用と思ってしまうようです。

 贈与税は「相続税を補完する税」と言われています。つまり、生前に親族へ財産を移すことで、相続税を逃れることを防ぐ役割を持っているのです。ですから、税率は、相続税よりも高く設定され、また、基礎控除額(税金の課せられないライン)につきましても110万円(暦年課税の場合)と相続税よりも低く設定されています。

しかし、一方で、次世代への財産の承継が中々進まない事情もあり、承継を円滑におこなうため、贈与税にいくつかの特例が設けられています。例えば、相続時精算課税制度や配偶者控除です。といっても、これら適用には要件や適用後の注意点等、十分な検討が必要となります。

【税理士法人ティグレパートナーズ 税理士 中村 哲平】