納得いく決算を

税理士法人ティグレパートナーズ東京
2017.08.28
 先日、里帰りをし、先祖の眠る墓前に手を合わせてきました。私の故郷は、九州です。幸い天気も良く、久しぶりにドライブを楽しみました。途中、ある車輌販売店の前を通り、昔のことが懐かしく思い出されました。
 この車両販売店は、以前、私が勤務しておりました職場のお客様でしたが、そのお客様を大激怒させてしまったことがあるのです。
 決算の概要をお客様へ電話でお伝えしていると、お客様が「なんで、前期よりも業績が悪化しているのに、消費税がこんなに増えるの」と質問されました。私は「はい、前期は車両の在庫が多く・・・・」と説明するも電話ではかなり無理がありました。お客様は「お前の言いよることは、いっちょん分からん。」と大激怒。電話を切られてしまいました。その後、すぐに社長の元へ駆けつけ何とか理解いただきましたが、このことは今も私の業務の指針となっています。
 ところで、消費税は、端的には「収受した消費税」から「支払った消費税」を差引いて、その差額を納付します。
 例えば、売上が1,000万円、仕入が800万円とします。(税抜)この場合、売上げに係る消費税80万円(1,000×8%)から、仕入に係る消費税64万円(800万円×8%)を差引いた16万円を納付することになります。
 ここで、決算日に在庫が400万円あるとします。これは会社の利益計算に影響します。仕入が800万円ありますが、その内、400万円は翌期以降に売れるものなので、当期ではいったん仕入れから除外し、売れた期(以後、翌期に売れたと仮定します)に再び仕入に計上するのです。すなわち、当期の利益は1,000万円―(800万円―400万円)=600万となります。
 このように、消費税と利益の概念は異なります。上記で言えば、在庫に関して、消費税の計算では「当期」(仕入れたとき)に差引き、利益計算の過程では「翌期」(在庫が売れたとき)に差引くのです。
 上記のお客様の場合ですと、前期に在庫が多大にあり、この在庫に係る消費税は前期に既に差引いています。その一方で、利益計算においては、在庫の売れた当期に差引きます。結果、前期より利益は減少しているにも関わらず、消費税額は増加していたのです。
 我々にとって、税務・会計を理解していることは当然ですが、そのことをお客様へ説明し納得していただくことこそ使命です。その能力はまだまだ発展途上ですが、お叱りを受けたこの経験により、今も使命感を忘れずに業務に励むことができています。
【税理士法人ティグレパートナーズ 中村哲平】

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